経済の発展は、消費者の暮らしにさまざまな恩恵をもたらします。
一方、少子高齢化と地域コミュニティーにおける“人のつながり”の希薄化が進行する中で、モノやサービスの急激な技術革新やグローバル化、高度情報通信技術の発達等の影響によって、逆にそれらが消費者の暮らしに悪影響を与えたり、消費者被害を招いたりするといった事態も発生し、さらに拡大の傾向にあります。
こうした事態の進行は、不幸な消費者を増大させ、消費者の市場に対する不信感を醸成し、やがては我が国の発展に重大な影響を及ぼすものとなります。
しかし、一人でも多くの消費者が、モノやサービスをはじめ、暮らしにかかわる様々な情報を共有し、適切で合理的な選択と行動ができる“賢い消費者”になれば、さらに、消費者が社会倫理を共有し、お互いの多様性を認めあい、世界情勢のことや将来世代のことを考えて行動するようになれば、誰もが安心して安全で豊かに暮らすことができる社会の実現は大きく進みます。
そしてそれは、「安全安心な市場」を実現し、企業にとっても利益をもたらします。
そのために、企業は、常に消費者の暮らしを見つめ、声を聞き、声に応え、“消費者・生活者目線”の事業を推進していくことが重要です。
以上のような認識のもと、私たちはここに「一般社団法人 消費者市民社会をつくる会」を設立し、
- 消費者が、消費生活において自主的・自律的に行動するための「消費者力」をつけることができるように、
- 消費者が、“持続可能な社会づくり”と“あたたかい地域コミュニティーづくり”に積極的に関わっていくための「消費者市民力」をつけることができるように
- 企業が消費者・生活者を経営の中心に位置づけて、“消費者・生活者目線”の事業を推進していく「消費者志向経営力」をつけることができるように
志を同じくする仲間を募り広げ、ともに力を合わせて“出あい・学びあい”の場を設け、教育・啓発事業を推進していきます。
平成26年12月25日
一般社団法人 消費者市民社会をつくる会 設立総会