ASCON科学者委員会は、2022年7月12日、届出された機能性表示食品E1~G1102について、委員会独自の判定基準に基づく事業者のみなさま方の「自ら評価」のまとめ一覧を公表しました。
その際に、この「自ら評価」に対して、一般の消費者や事業者のみなさまからの評価(社会による評価)を公募しました。
この度、匿名の方より「社会による評価」へのコメントをいただきましたので、届出者ならびに科学者委員会のコメントと併せて、
評価一覧表に追記するとともに、以下に別途掲載します:
機能性表示評価成績一覧(E1-G1102)_220922d1(修正追記版)
【社会による評価】
<対象商品>
F184:「キリン iMUSE professional(イミューズ プロフェッショナル) プラズマ乳酸菌サプリメント」
届出者:キリンホールディングス
匿名での社会による評価
免疫 体調に関する全身の自覚症状への影響を報告したRCTの複数の論文において累積発症日数を評価し、摂取群と非摂取群で有意な差を報告しているが、この累積発症日数は、個人の発症日数を群で合算して群間を評価しており、統計解析方法が不適切なものである。具体的に説明すると、群で合算した累積発症日数は個人のバラつきが考慮されておらず、それで統計学的に有意な差が出ても、個人のバラつきの結果偶然出現した結果の可能性がある(つまり、一部の極端な人が、片方の群に片寄っていた可能性がある)。個人ごとの発症日数を分散分析するのが適切な統計解析方法である。論文で報告している群で合算した累積発症日数の統計解析が不適切な統計解析方法であることは複数人の統計解析専門家に確認した際も同様の意見であった(その内一人は、日本計量生物学会の試験統計家認定制度で、「責任試験統計家」(日本で30名しか存在しない)の認定者で
ある)。
届出者(キリンホールディングス)からの回答
この度は、弊社研究レビューの採用論文に関するご指摘をありがとうございました。頂いたご意見を参考として、今後もより一層研究レベルの向上に努めたいと考えております。よろしくお願い致します。
科学者委員会からの助言
科学者委員会はこの指摘を極めて重大なものと考え、具体的に回答すべきと信じます。これに対して全く回答をしないことは極めて残念です。
以上。
今後も皆様からの「社会による評価」へのご意見・ご質問をお待ちしております。